強兵とは富国を前提として成り立つ。経済力が最終的な勝敗を決するからだ。それは全面戦争の話ではなく、米ソ冷戦を見ればわかるように、むしろ軍事的抑止力における勝敗を決定付ける意味で極めて重要だ。
<<グローバリズムで弱体化する日本>>
しかるに日本は何をしてきたのか?産業の海外移転を促進することで日本の生産力を弱体化し、あろうことか「中国を育ててきた」のだ。中国を育て、その中国に飲まれようとする日本。お笑いではないか。そして無秩序なグローバリズムが、その高邁な謳い文句とは裏腹に、日本を弱体化させてきたのだ。そしてグローバリズムの名を借りた日本弱体化策はTPPで完成される。驚くべき愚策である。TPPで相互に経済依存したところで、日本が弱体化すれば国防にならない。逆に「農産物」のように弱みを握られる事になろう。食料自給率の低下が国防の危機であることは歴史が証明している。
<<円高放置で弱体化する日本>>
日本弱体化策の強力なバックボーンが日本銀行である。日銀が円高を放置した結果、いたたまれなくなった企業がつぎつぎに日本から離れてゆく。ソロスチャートが示すように為替相場は二国間のマネタリーベース比率で決まる。すなわち日銀の金融政策で決まるのだ。世界的に通用しない「日銀理論」を並べ立て、右に左に金融緩和を避けてきた日銀が円高を誘導してきたのだ。その意味で日銀の犯した罪は重大であろう。
<<デフレ放置で弱体化する日本>>
そしてデフレ放置。FRBが明言したように「物価は金融政策で決まる」のだ。ゆえに日本が20年もデフレのままなのは、すべて日銀の金融政策に原因がある。デフレの問題は「生産力の弱体化」だ。需要が減ると生産力も減少する。デフレとは需要が年々減少する現象なので、日本の生産力が年々弱体化することを意味するのだ。しかもデフレによる投資の減少は、生産設備や生産技術の老朽化も同時に引き起こす。生産力の質の低下も深刻な問題となる。その意味で日銀の犯した罪は重大であろう。
<<増税で弱体化する日本>>
さらにデフレ期に強行する増税である。デフレ期に増税すると何が起こるかはすでに1997年の橋本政権増税で明らかだ。税収が減少して財政再建が遠のくだけではすまない。デフレの悪化による経済弱体化が問題なのだ。消費税による商品の値上がりで購買欲が低下するだけではない。消費税による税収を年金財源として国民に支給しても、そのすべてが消費に回るわけではないため、往復ビンタで消費が落ち込む事になる。増税で強烈なデフレ圧力を先にかけておいて、何が「脱・デフレを目指せ」だ。そんなことをエリート集団であるマスコミがわからないはずは無い。つまり、意図的に行われていると考えるのが自然だ。
<<経済力なき国防論は危険>>
もし、これらの問題を何ら明確に解決することなく、すなわち経済弱体化のまま国防のスタンスを強化するのなら、それは単なる「空威張り」と笑って済まされる問題ではない。本当の戦争を引き起こす極めて危険な冒険だ。現代における国防の基本は「抑止力」である。本当に戦争を行えば第三者を利するだけに終わる。圧倒的火力で威圧する。米国が行っているのがそれである。
フォークランド紛争を見ればわかるだろう。どれほど強気であろうと、火力に劣れば必ず戦争となる。経済の弱体化は極めて危険だ。死の商人は大喜びで、むしろそれを望んでいるだろう。殺し合いほどカネになる商売のネタはない。国防を謳い文句にして、そんなヤツラに塩を送る事になってはいけない。
<<国防は「反増税」「デフレ脱却」「円高解消」「秩序あるグローバル化」>>
国防は経済力であり、あらゆる分野の総合力である。ところが売国の外務省、守銭奴の日銀、経理係の財務省が勝手バラバラである。これで国防を論じるなどほとんどお笑いの世界だ。
日本はデフレである。デフレとは生産力が使われずに捨てられている状態を意味する。日本の完全失業者は250万人以上というが、仮に250万人が毎日労働すればどれだけの富が生み出されるであろうか?その富を産み出す方法を考える事が最優先なのであり、その労働資源を活性化することが、防衛力の正面装備の充実につながる事も容易に理解できるだろう。
財政再建は単なるカネの収支だ。私企業にとって収支は絶対だが、国家にとって収支は手段に過ぎない。問題は250万人の労働資源をいかに活用するかだ。国家経営の成否はすべてこれにかかっている。それに取り組めば、失業者が減り、国民の満足度が高まる。これもまた国防にとって重要である。


by noranekoma
死神IMF吠える